Porting Tool の使い方
前提
内容はBlenderとFF14のMod制作にある程度の理解がある前提としています。
Blender の操作方法、シェイプキー、モディファイア、ウェイト設定、fbxのインポート&エクスポート等々、Mod制作に必要な各知識については説明していません。
また、説明としては「私が Porting Tool を使ってサイズ調整する場合の方法」であって英語マニュアルを日本化したような説明をしていません。
Modのサイズ調整は個人のBlender知識や技術レベルによってやり方は様々です。
正解はありません。単純にModとしての品質が高いか低いかの違いです。
Porting Toolについて

まず Porting Tool とは何なのかというと「サイズ調整」を行いやすいように各種ボディサイズをシェイプキーとして登録しているBlenderファイルです。
「ツール」という名前があるのでポチポチ押せばサイズ調整できるかというと…できません。
Textoolsのような便利ツールではないです。
このツールの役割としてはBlenderでModを作る場合に「サイズ調整のサポート」くらいの認識が正しいと思います。
ボディの置き換えになると普通にModを作れる知識が必要になりますし、それが可能なのであればPorting Toolの説明も必要ないですね。
今回はボディ自体をTF3Mに置き換える事はしていません。サイズ調整のみです。
先に、重要な部分だけ軽く説明しときます。
シェイプキー

このPorting Toolの一番使うのがこのシェイプキーの部分になります。
例えば TF3-M を TF3-XL にサイズ変更したいのであれば、上記のようにChest(XL)のシェイプキーで値を1にすればボディがTF3-XLになります。
サイズ調整したい装備をインポートする場所

Templateというところがあるので見える状態にしてからサイズ調整したいModのfbxファイルをインポートします。
今回の説明はTopだけですがLegも基本的に同じです。
以下、参考としてヒュラ♀のカーミーズをVanillaからTF3-Mにサイズ調整してみます。
STEP 1 , インポートする

Templateを選択した状態でfbxをインポートします。
STEP 2 , サイズ調整の対象を確認


このカーミーズであれば 画像にある2つが対象になります。
STEP 3 , Porting Tool側のボディをVanilla(標準体型)に変更

紛らわしいのですが、Porting Tool のシェイプキーはデフォルト値がVanillaサイズではなくTF3-Mです。
Vanilla装備をTF3-Mまで大きくするのであればPorting Tool側のボディサイズをVanillaにしておく必要があります。

インポートしたカーミーズと合わさるとこんな感じ。完全に一致はしない。
STEP 4 , サーフェス変形モディファイアの設定


サイズ調整には「サーフェス変形」のモディファイアを利用します。
「ターゲット」の部分でPorting Tool側のボディを指定してバインドできればOKです。
サーフェス変形がどんな機能のモディファイアなのか知りたい場合はYoutubeやGoogleで調べてみてください。
STEP 5 , サイズ調整

バインド後にPorting Tool側のボディで設定したVanillaのシェイプキーの値を0に戻します。
そうするとPorting Tool側のボディサイズがTF3-Mに戻るのですが、バインドしていたカーミーズ側も同じ動きをします。結果としてカーミーズ側もTF3-Mになるという事です。
ちなみに、この画像ではサーフェス変形で形を変えただけの状態になります。まだ適用されていません。
この状態で問題ないかチェックします。

今回のサイズ調整となる対象は2つあるので1つやり忘れるとこのようにスペースが空いた状態になったりします。

サーフェス変形モディファイアでサイズ調整忘れが無い事を確認できれば次のステップに進みます。
STEP 6 , サーフェス変形モディファイアの適用(エラー)

FF14の場合は装備にシェイプキーが登録されている場合が多く、ほとんどの場合は適用ボタンが押せません。


強引に適用するようなAddonもありますが、今回はAddonを使わない方法で説明します。
もしSTEP7でのシェイプキーの修正がどうしても出来ないのであれば、元からあるシェイプキー自体を削除するやり方もあります。(画像でいうとshp_nek)
ただし、その場合は何かの装備の時点でクリッピングが発生します。
STEP 7 , シェイプキーの修正方法
念押しで言いますが「私がやる場合の方法」です。
他にも色んなやり方があるので参考として認識してください。


モディファイアでシェイプキーとして適用した場合、シェイプキーに「サーフェス変形」という名称で一旦登録されています。
これを既存のshp_nekと合体させて新しいshp_nekとします。

ミックスされた新しいシェイプキーの「キー3」が新しいshp_nekとなるので、古い方をリネームしておきます。
「サーフェス変形」という名称のシェイプキーは新しいBasis(TF3-M)になりますので、新しいshp_nekの「基準の対象」を新しいBasisに変更してください。

画像の_oldというのがVanilla状態でのシェイプキーになります。
TF3-Mが適用されたシェイプキーの動作確認(値を1にしたり0にしたりする)して動作に問題なければ_oldは削除します。

この時点でサイズ調整自体の作業は完了になります。
STEP 8 , メッシュ切れ目の調整で終わり

サイズ調整するとメッシュにつなぎ目のようなものが見えたりします。
この修正方法は沢山ありますが、個人のBlender技量によるんで今回の説明では割愛します。

念のため余計なモディファイアが残っていないかチェック。

最後に
今回の内容はMod制作における基本中の基本みたいな内容です。
もしボディの変更(Gen3やBibo+)にしたいのであれば、ウェイト変更やメッシュの細分化、場合によってはテクスチャの修正も必要になります。
そこまでの知識が欲しいのであれば海外Discordに参加した方が確実です。
Mod制作の初歩から上級まで色んなやり方の質問が飛び交ってます。
ヤル気があれば英語だろうがGoogle翻訳でなんとかなります。頑張ってください。